当院には、交通事故での「むち打ち」による頚椎捻挫の患者様が非常に多く来院されます。交通事故は多くの場合健康保険ではなく、自賠責保険の対象で、その場合、患者様が窓口でお出しする治療費は無料になります。
車に乗っていて、後ろから衝突されると、胴体が前に押し出されると同時に首は後ろへしなります。そして一瞬のうちに反動で首が急激に前へしなって「むち打ち」となります。
左側面から衝撃を受けた時は、まず右にしなり、一瞬のうちに反動で左へ急激にしなります。
むち打ち損傷に対して、いきなり患部をマッサージするということは厳禁です。初日は患部を冷却して痛みを抑え、緊張している周囲の筋肉に対し、遠隔的に手技療法や電気治療をして緩和させ、必要とあればパットを当て包帯固定をします。翌日(或いは数日後)、症状改善により温熱療法に切り替え、固定を除去します。症状が和らいだ場合は温熱療法やテーピング固定に切り替えます。
首には細かい筋肉がたくさんありますが、表面にある僧帽筋は首、肩、背中に広く分布する筋肉で、この筋肉の痛みにより症状も首だけでなく、首や背中に至ります。また筋膜を伝って、腰や足に及ぶ場合もあります。
首(頚椎)は単に頭を支える場所ではなく、脊髄(中枢神経)の重要な通路であり、また頚椎から上肢の末梢神経へ伝達する非常に重要な場所であるので、首の治療は非常に慎重を要します。
むち打ち損傷に対しては、患部の急性症状が落ち着き次第、痛みの原因筋に対し、本格的に手技療法を行っていきます。
また必要と判断した場合、(患者様の了承を得た上で)院長が頭蓋骨と第1頚椎の間の関節(環椎後頭関節)や第7頚椎と第1胸椎の間の関節(椎間関節)の調整を行います。