突き指の治療

 一般に「突き指」というと、一般的には「放置していても治る」と安易に思われがちですが、その場合、痛みがずっと残ったり、変形が残ったままになってることがあります。突き指とは、「スポーツをしていてボールで指を弾かれて損傷し、骨折や県や靭帯を痛めるケガの総称」であり、冷却や固定など早期の対応が必要になります。

 


マレットフィンガー(指先の損傷)

 第1関節の突き指損傷であるマレットフィンガーは、「指がはじかれて」ではなく、文字通り「指を突いて」起こるケガです。3つのタイプがあり、Ⅰ型が腱断裂、Ⅱ型が骨折、Ⅲ型は脱臼骨折です(*Ⅲ型は手術適応)。Ⅰ型の場合、「骨折でなくてよかった」と思うかもしれませんが、実は腱断裂の方が、剥離骨折よりも固定期間は長期を要します。


<症例>マレットフィンガーⅡ型(剥離骨折)35歳女性

 スポーツジムでヨガの最中に転倒し負傷し、来院されました。小指第1関節部の変形がひどく、痛みと腫れがあり、まず当院でエコー観察を行ったところ、骨折様画像を描出しました。

 

 そこで提携医院に検査依頼し、マレットフィンガーⅡ型との診断を頂き、当院でアルフェンスで固定処置を施し、翌日より後療を行いました。

 

 5週目、エコー観察とレントゲン検査で経過良好を確認。7週で固定を除去し、8週で完治に至りました。





<症例> マレットフィンガーⅡ型(剥離骨折)14歳女性

 テニスの練習中に相手が放ったボールを強打して負傷し、来院されました。第4指の第1関節周辺に痛みと腫れがあったために、エコーで観察したところ、剥離骨折様症状を確認し、提携医院に依頼してマレットフィンガーⅡ型(剥離骨折)と診断。以後当院にてアルフェンスでの固定処置を行い、翌日より後療を行いました。

 

 5週目にエコー観察及びレントゲン検査で良好な状態を確認し固定を除去。7週目で完治になりました。




<症例1>マレットフィンガーⅠ型(腱断裂)69歳女性

 ドアに指を思いっきりぶつけた時に小指の第1関節を痛め、来院されました。そんなに腫れはなく、エコー観察でも骨折様症状は見られなかったのですが、指の変形が約70度位ありましたので、提携医院で検査を依頼し、マレットフィンガーⅠ型(腱断裂)の診断を頂きました。

 

 当院にてアルフェンスにて固定し、翌日より後療法を行いましたところ、5週目でかなり経過がよく、7週目で完全に指が伸びましたので、アルフェンスを除去。その後も治療を続け、3ヶ月(10週)で完治となりました。